いつも主にあって喜びなさい(フィリピの信徒への手紙講解) 第10講:「恐れおののきつつ自分の救いを達成するように」 (フィリピ2章12~13節、2024年7月21日)

 

 

〔今週の御言葉-私訳と黙想 フィリピ2章1213節 自分の救いを達成するように〕

12 ですから、わたしの愛する人々よ、あなたがたはいつも従順でしたので、わたしの到来においてもそうであるように、わたしの不在の今においても、なおさらもっとそうでありなさい。畏れとおののきと共に、自分自身の救いを成し遂げてください。13 御心において、あなたがたの内で、善意を超えて志を起こし、そして事を行わせてくださるのは、神です。

 

 

ここでパウロは「自分自身の救いを成し遂げてください」と呼びかけます。まるで救いというのは自分自身の力で達成するかのようです。しかし救いはただ神の憐れみに基づいて与えられるものです。自分の力で達成するものではありません。それではどうしてパウロはこのようなことを語ったのでしょうか。確かに救いは神によって与えられるものですが棚ボタ式に与えられるものではありません。自分が何もしないでただ待っていれば自動的に救いにあずかるというのではなく、それを自分自身へと引き寄せていくことが必要です。神はわたしたちの内に御心に従って自分自身の救いを求めるように招かれます。そして自分自身がそれを受け取って、救いに至るように導かれるのです。まさしく「あなたがたの内で、善意を超えて志を起こし、そして事を行わせてくださるのは、神」なのです。ですからわたしたちは、神から与えられる救いを自分自身から求めて、それを自分のものとするようにと、呼びかけられるのです。そこで大切なのが「従順」です。神に対して従順であることであり、わたしたちの内で生きて働いてくださる聖霊に対して従順であるということです。聖霊の導きの中で、素直な心で御言葉をいただき、そこに示された神の御心に従って生きていくことです。聖霊に対して従順であるとは、聖霊が啓示してくださる御言葉に従順であるということです。今日も開かれた御言葉に対して従順でありましょう。