いつも主にあって喜びなさい(フィリピの信徒への手紙講解) 第7講:互いに相手を優れた者と考え(フィリピ2章1~4節)

いつも主にあって喜びなさい(フィリピの信徒への手紙講解)

第7講:互いに相手を優れた者と考え(フィリピ2章1~4節、2024年5月26日)

 

〔今週の御言葉-私訳と黙想 フィリピ2章1~4節 互いに相手を優れた者と考え〕

1ですから、キリストにおいて、あなたがたに、もし何か慰めがあるなら、もし何か愛の励ましがあるなら、もし何か霊の交わりがあるなら、もし何か愛情と憐れみがあるなら、2あなたがたは、同じことを思い続けることによって、わたしの喜びを満たしてください。まったく同じ愛を持ち続け、同じ心で、同じ一つのことを思い続けてください。3何事も自己中心や虚栄からではなく、むしろへりくだり、互いに自分より優れていると考え続けなさい。4おのおのが自分自身のことだけではなく、他の人のことにも心を傾けなさい。

 

 

フィリピの教会には分裂がありました。教会の中で指導的な立場にあった二人の女性たちが互いに反目し、対立して、それが教会全体を巻き込んでいたのです。そこでパウロはそれを解消するように勧めるのでした。「あなたがたは、同じことを思い続けることによって、わたしの喜びを満たしてください。まったく同じ愛を持ち続け、同じ心で、同じ一つのことを思い続けてください。」同じ思い、同じ愛、同じ心、同じ一つの思いを抱くように勧めます。それを妨げるものがあります。「自己中心」です。互いに対立してしまう根本原因は「自己中心」にあります。そこで「へりくだり、互いに自分より優れていると考え続けなさい。おのおのが自分自身のことだけではなく、他の人のことにも心を傾けなさい」と勧めます。人間関係において大切なことは相手に対する敬意です。敬意の思いは相手を「自分より優れている」と思い続けることによって維持されていきます。また「自分自身のことだけではなく、他の人のことにも心を傾け」ることが大切です。自分の思いと立場で相手を考えるのではなく、相手の思いと立場に立って考えるようになることです。いわば天動説的な考えから地動説的な考えで生きるということです。わたしたちが互いに相手を思いやる気持ちで、共に生きていこうとする中で、わたしたちは「自己中心」の生き方から解放されて、「同じ思い、同じ愛、同じ心、同じ一つの思いを抱く」ようになるのです。