神に栄光を帰し、永遠に神を喜びとする歩み -『ウェストミンスター小教理問答』に学ぶキリスト教信仰-23 問25

25 キリストは、どのようにして祭司職を果たされますか。

 

 キリストが祭司職を果たされるのは、神の正義を満足させて私たちを神に和解させるために、ご自身をいけにえとしてただ一度ささげられたことと、また私たちのためにとりなし続けてくださることにおいてです。

 

〔今週の御言葉 ヘブライ7章1128節 メルキゼデクと同じような祭司〕

 

恵みの契約の仲介者であるキリストは贖い主として「預言者・祭司・王」であられます。祭司とはどのような職務でしょうか。一つは民を代表して罪を贖う業をします。罪を犯した人間の身代わりに動物の犠牲が捧げられて、罪の代価が支払われることにより、罪の赦しが与えられる、その贖いの業を果たします。もう一つは民を執り成す業です。罪を犯すことしかできない民を代表して、義なる神に対峙し、彼らの罪を執り成します。この罪の贖いと執り成しの業を果たしたのが祭司でした。しかし人間の祭司は死にます。そこで祭司職が代々受け継がれていかなければなりません。またその祭司自身罪人であり、民の罪を贖う前に自分自身の罪の贖いをしなければなりませんでした。また本来罪を犯したのは人間なのですから、罪の代価は人間自身が支払わなければならないものですが、それを動物犠牲によって代用していましたから、それは完全な贖いとはなり得ませんでした。こうしてアロンの後を継ぐレビ系の祭司職はどこまでも不完全な務めにすぎませんでした。それとは別のメルキゼデクという祭司がすでにアブラハムの時代に立てられていました。「義の王」という名のメルキゼデクは「神の子に似た者であって永遠に祭司」でした。そしてこの「メルキゼデクと同じような祭司」が立てられることが預言されていました。その方こそ主イエス・キリストです。わたしたちはこの方によって真の贖いをいただけるのです。