神に栄光を帰し、永遠に神を喜びとする歩み -『ウェストミンスター小教理問答』に学ぶキリスト教信仰-22

 

 

 24 キリストは、どのようにして預言者職を果たされますか。

 

 キリストが預言者職を果たされるのは、ご自身の御言葉と御霊によって、私たちの救いのために神の御意志を私たちに啓示してくださることにおいてです。

 

〔今週の御言葉 使徒言行録3章1326節 モーセのような預言者〕

 預言者とは一体どのような人でしょうか。それは単に未来の出来事を予言する人ではなく、神の言葉を預かってそれを伝達する人、それによって神の御心を明らかにする人です。旧約時代、その基準はモ-セでした。モ-セと預言者は、やがて現れる一人の人を指し示す型でした。「わたしは彼らのために、同胞の中からあなたのような預言者を立ててその口にわたしの言葉を授ける。彼はわたしが命じることをすべて彼らに告げるであろう」と預言されていました。このまことの預言者がイエス・キリストであることは明らかです。「神はかつて預言者たちによって、多くのかたちで、また多くの仕方で先祖に語られたが、この終わりの時代には、御子によって私たちに語られました」とあるように、旧約において語られた神の啓示はすべてイエス・キリストを目指し、またそこへと流れ込んでいきます。そして新約の啓示は、肉をとって真の人となられた神イエス・キリストの啓示をまとめたものです。つまり全ての神の啓示の中心は、イエス・キリストであり、「聖書はわたしについて証しをする」のです。預言者という職務も、彼らが語り伝えた教えの内容も、すべてはイエス・キリストを明らかにするものだったのでした。そして今やまことの預言者が現れました。主は父なる神ご自身から遣わされ、父の言葉そのものを直接取り次ぎ、わたしたちに教えられたのでした。その意味で主は、究極的な預言者ということができるのです。