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聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解) 第112講:テトスへの手紙  

 

〔今週の御言葉 テトス2章1~15節 良い行いに励んで生きる

 テトスをクレタ島に残し、そこの監督に立てたパウロは、そこでの牧会のために必要な注意を与えるためにこの手紙を書き送りました。テトスは、コリント教会が紛糾しパウロに敵対するというゆゆしい事態において、パウロの手紙を携えると共に、パウロの代わりとなってコリント教会の問題を解決に導いた有能な弟子でした。この手紙の中でパウロは「健全な教え・健全な言葉」という言葉を繰り返して語ります。この「健全な教え・言葉」とは、テトス自身がパウロから教えられてきた福音の教えのことでした。テトスが対する相手は、ユダヤ教的なキリスト教の一派と目される、「ユダヤ人の作り話」を基とした人々でした。彼らは律法に適う生活をすることを標榜していたようですが、そのため彼らを説得するテトスは、彼ら以上に律法に適う聖い生活を送り、むしろ彼らの「良い行いの模範」となることが求められました。そして「非難の余地のない健全な言葉」を語ることで、つまり言葉だけではなくて、その行いにおいても論敵を凌駕するほど聖い生活を送ることで、彼らを言葉と行いにおいて説得することが求められたのでした。「そうすれば、神を信じるようになった人々が、良い行いに励もうと心がけるように」なるからでした。キリストは「良い行いに熱心な民」を起こし、「ご自分のものとして清めるため」に、御自身を献げてくださいました。わたしたちもこのキリストの愛に応えて、自分を献げていきましょう。