· 

聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解) 第103講:フェリクスに護送されるパウロ(使徒言行録23章11~35節)

聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解)

第103講:フェリクスに護送されるパウロ(使徒言行録23章11~35節)

 

聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解)

103講:フェリクスに護送されるパウロ(使徒言行録231135節)

 

〔今週の御言葉 使徒言行録231135節 フェリクスに護送されるパウロ

 

 パウロ暗殺の陰謀を知ったパウロの甥は、それをパウロに知らせ、パウロは百人隊長に知らせます。そこで千人隊長は、その晩のうちにパウロをカイサリアに護送されることにします。パウロの守りは、何か特別なことが起きたり、奇跡が生じたりという形で為されたのではなく、ローマ兵の通常任務において為されました。千人隊長や百人隊長たちは、何か特別なことを果たしたわけではなく、ローマ市民を保護するという、彼らにとって当然の任務を、護送という普通の業務において果たしましたが、それが結果的に、パウロを刺客たちから守ることになります。神の守りというのは、例えばペトロがそうであったように、天使が遣わされて為されるということもありますし、フィリピでの出来事のように、大地震という自然現象において為されるということもありますが、それ以上にごく普通の、別段変わったことがないことによっても為されていきます。パウロを守ったローマ兵たちは、神からの特別な命令を受けてそれを実行したわけではなく、ただ自分の任務を通常の業務として果たしただけですが、それによってパウロは守られるわけです。わたしたちの守りも、いろいろな人の善意や親切などによって、ごく自然に為されるものが多いですが、そこで神は何もしておられないというのではなく、わたしたちにとって「万事が益となるように、すべてのものをあい働かせて」、御自身の摂理の御業を実現してくださるのです。