神に栄光を帰し、永遠に神を喜びとする歩み -『ウェストミンスター小教理問答』に学ぶキリスト教信仰-16

神に栄光を帰し、永遠に神を喜びとする歩み

-『ウェストミンスター小教理問答』に学ぶキリスト教信仰-16

 

14 罪とは、何ですか。

 

 罪とは、神の律法への一致に少しでも欠けること、あるいは神の律法にそむくことです。

 

〔今週の御言葉 1ヨハネ3章4節 罪とは律法に背くこと〕

 「命の契約」を破ってしまった人間は罪に堕落した者となりました。そもそも「罪」とは何でしょうか。聖書は「罪とは、法に背くこと」だと語ります。法とは律法のことですから、法に背くとは律法に背くということです。小教理問答でも「罪とは、神の律法への一致に少しでも欠けること、あるいは神の律法にそむくこと」だと語ります。それではその法とは何でしょうか。律法は、難しい規則や戒律が集められたものではなく、主イエスはこの律法を「二つの戒め」に要約されました。一つは心と魂と力を尽くして「神を愛する」ということであり、もう一つは「隣人を自分のように愛する」ということです。律法とは、神と隣人を愛することです。それは難しい規則やややこしい戒律の集まりなのではなく、神は端的に、「愛する」ことをわたしたちに求めておられるのです。そしてその「愛」において、わたしたちは不完全ながらも守っているというのではなく、完全に間違った方向に行きついている、つまり「自己愛」の中で生き、かつそれを他者から要求しているのです。愛は本来、相手に向けられるものですが、わたしたちの愛は自分自身に向けられています。そして愛は本来、与えるものであり、犠牲を惜しまないものですが、わたしたちの愛は、奪うものであり、要求するものとなっています。こうして本来の人間の生き方・あり方から大きく逸脱して生きているわたしたちの生き方自体を「罪」と言うのです。