神に栄光を帰し、永遠に神を喜びとする歩み -『ウェストミンスター小教理問答』に学ぶキリスト教信仰-15 問13 私たちの最初の先祖たちは、創造された状態で続きましたか。

神に栄光を帰し、永遠に神を喜びとする歩み

-『ウェストミンスター小教理問答』に学ぶキリスト教信仰-15

 

問13 私たちの最初の先祖たちは、創造された状態で続きましたか。

 

 自分の意志の自由に任されていた私たちの最初の先祖たちは、神に罪を犯すことによって、創造された状態から堕落しました。

 

〔今週の御言葉 創世記3章1~13節 命の契約の違反と罪への堕落〕

 神は人間とエデンの園で「命の契約」を結ばれました。それは「善悪の知識の木」の実を取って食べてはならないというもので、それを守れば「永遠の命」が与えられるというものでした。しかしそれを破ったら「死」がもたらされるというものでもありました。神がこの契約を結んだ意図は、人間が神をまったくの自由な意志から愛し、自発的に仕え、自ら喜んで服従する、そのような心からの愛の関係を結ぶということでした。そして最初の人間にはそれを守る力も与えられていたのでした。そのために完全な自由が与えられて、それを守ることはもちろん、それを破ることもできる状態の中で、どこまでも自発的に自由な意志から為されるべきものでした。しかし最初の人間は、神から与えられたこの完全な自由をもって、神の戒めに違反し、「命の契約」を破ってしまいました。そこでもたらされるようになったのは「死」ですが、それは次の問答で考えます。ここで大切なことは、この契約はただアダム一人と結ばれたものではなかったということです。アダムを頭とする、アダムから出生するすべての人間とも結ばれたものでもありました。そのためこのアダムの違反によって、全人類が同じく契約に違反し、堕落してしまったということです。これにより人間は「原義」を失い、「神の像」を毀損してしまいました。これにより人間は、神の律法に従って生きるという、人間本来の生き方ができなくなってしまったのでした。