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聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解) 第95講2:ローマの信徒への手紙(2)3章21節~4章 信仰によって義とされる福音

聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解)

95講2:ローマの信徒への手紙(2)3章21節~4章

 

〔今週の御言葉 ローマ3章21節~4章 信仰によって義とされる福音

 パウロは、異邦人もユダヤ人も皆、等しく罪を犯し、「罪の下にある」ことを明らかにしました。そこでは、「正しい者はいない。一人もいない。善を行う者はいない。ただの一人もいない」との宣告がくだされ、「全世界が神の裁きに服する」ものとなってしまったのでした。しかしそれでは人類は絶望かというところで、まさしくそこで「福音」が伝えられることになります。つまり律法によっては義となることができなくなってしまった人間、罪人を義とする「神の義」があるという知らせです。この「神の義」は「初めから終りまで信仰を通して実現される」義で、人間が自分の善き業や功績によって獲得する義、つまり自分自身の義ではなく、神から与えられる神御自身の義であり、それをいただく手段が「信仰」でした。「すなわち、イエス・キリストを信じることにより、信じる者すべてに与えられる神の義」です。この神の義は、律法の行いによるのではなく、信仰によって与えられ、「ただキリスト・イエスの贖いの業を通して、神の恵みにより無償で義とされる」のです。「律法の実行によっては、だれ一人として義とされない」のであって、「人は律法の実行ではなく、ただイエス・キリストへの信仰によって義とされる」のです。それは「律法から生じる自分の義ではなく、キリストへの信仰による義、信仰に基づいて神から与えられる義」です。そしてここにパウロが生涯かけて闘った福音の真髄が凝縮されています。