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聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解) 第95講1:ローマの信徒への手紙(1)1~3章20節

聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解)

95講1:ローマの信徒への手紙(1)1~3章20節

 

〔今週の御言葉 ローマ11832節 人類の罪

 パウロがマケドニア州を経て赴いたギリシア(おそらくコリント)に三か月滞在する間に書き送った手紙、それが『ローマの信徒への手紙』でした。パウロはこの手紙の中で、これまでフィリピ書、ガラテヤ書で断片的に述べていた「信仰義認」について、じっくりと腰を据えて説いていきます。これまでも神は人類に御自身を啓示してこられました。「世界が造られたときから、目に見えない神の性質、つまり神の永遠の力と神性は被造物に現れており、これを通して神を知ることができます」。しかしそれにもかかわらず人類は、「滅びることのない神の栄光を、滅び去る人間や鳥や獣や這うものなどに似せた像と取り替え」、偶像礼拝をしてきたのです。そして「不義、悪、むさぼり、悪意、ねたみ、殺意、不和、欺き、邪念、陰口、そしり、憎しみ、侮り、高慢、大言、悪事、無知、不誠実、無情、無慈悲」にあふれて生きる者となってしまっていました。神の御心である「律法」は、「律法の要求する事柄がその心に記されている」ことによって、言い逃れの余地がなくなっています。パウロは、こうした人類の、罪にまみれ、罪に溢れて生きる罪深い有様を明らかにすることで、「義人はいない、一人もいない」と結論づけます。こうして本来であれば「永遠の命」を得るために与えられた律法は、「罪の自覚しか生じない」ものとなってしまいました。そしてこの律法に基づいて「全世界が神の裁きに服する」ようになったのでした。