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聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解) 第94講:エルサレムへの旅の出発(使徒言行録20章1~6節)

聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解)

94講:エルサレムへの旅の出発(使徒言行録20章1~6節)

 

〔今週の御言葉 使徒20章1~6節 エルサレムへの旅の出発

 

 エフェソでの「ただならぬ騒動」によって退去を余儀なくされたパウロは、途中トロアスに寄り、テトスの到着を待ちますが、会うことができずマケドニアに進みます。そのマケドニアでパウロはテトスと会うことができ、コリント教会の問題が好転し、皆が悔い改めたことを知らせます。そこで喜んだパウロがマケドニアから書き送ったのが、『和解の手紙』、『献金の手紙1』、『献金の手紙2』です。そこからさらにパウロはギリシアに行き、三か月滞在します。そこで書いたのが『ローマの信徒への手紙』で、パウロはこの手紙において「信仰義認」の教えをじっくりと腰を据えて論じていきます。その後パウロは、マケドニア州とアカイア州の諸教会によるエルサレム教会の貧しい人々への義援金を携えて、これらの教会の代表者たちと共に、エルサレムへの旅に出発します。パウロ暗殺の陰謀がめぐらされていることを知ったパウロは、他の人々を海路で、自らは陸路で出発し、途中で落ち合う算段をします。たとえもしパウロが襲撃にあって暗殺されることがあったとしても、せっかく集められた義援金が無事にエルサレムに送り届けられていくためでした。ここには、死を恐れず、自分の使命に忠実に生きるパウロの姿が躍如としています。最も暗殺の危険があったマケドニア州では互いに別行動で、その後落ち合う場所はトロアスでした。そこで一週間滞在します。この旅行には途中からルカが同行したことがわかります。