· 

聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解) 第91講2:コリントの信徒への手紙 第二 「涙の手紙」(10章1節~13章10節)

聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解)

91講2:コリントの信徒への手紙 第二 「涙の手紙」(10章1節~1310節)

 

〔今週の御言葉 2コリント10章1節~1310節 涙の手紙

 

 分裂問題に揺れるコリント教会に「大使徒」と称する霊的熱狂主義者が入り込み、巧みに彼らの間に分け入って、様々な霊的しるしを見せることで信頼を得、彼らがコリント教会問題をさらに混迷に導いていきました。「実際に会ってみると弱々しい人で、話もつまらない」と酷評されたばかりが、彼らはパウロの使徒性を否定して、パウロとコリント教会の人々との間を離反させることに成功します。このようなコリント教会にパウロは『弁明の手紙』(2章14節~7章4節)を書き送りました。そしてエフェソからコリントに乗り込んでコリント教会を訪問しますが、なんと面前で拒絶されてしまい、パウロは失意のうちにエフェソに帰還します。そしてパウロは「悩みと愁いに満ちた心で、涙ながらに手紙を書きました。」それが『涙の手紙』(10章1節~1310節)と呼ばれる手紙です。その手紙をテトスに託してコリンへと派遣します。その後の成果がどうかを気にしながらパウロは、エフェソから追放されてマケドニアに移り、そこでテトスの到着を待ちます。この手紙は、このような「不安な心を抱いたまま」の時に書かれたものでした。パウロの使徒性を疑うコリントの人々に、パウロはまことの使徒のしるしを語りました。それは投獄、鞭打ち、投石、難船、様々な難です。キリストの福音のためにパウロが労苦してきたこと、これこそまことの使徒のしるしでした。そのことをパウロは涙ながらに訴えるのでした。