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聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解) 第86講:パウロの手紙による牧会(使徒言行録19章8~10節)

聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解)

86講:パウロの手紙による牧会(使徒言行録19章8~10節)

 

〔今週の御言葉 使徒19章8~10節 パウロの手紙による牧会

 今日かつてパウロが書き送った手紙が残され、新約聖書の一部とされています。パウロは自分の手紙を「聖書」とするために手紙を書いたわけではありませんが、すでにパウロの時代から彼の手紙は礼拝の中で読み継がれていき、後に旧約聖書や他の使徒たちの手紙などと共に「新約聖書」としての権威を帯びるようになりました。パウロの最初の手紙はコリントで書いた二つの『テサロニケの信徒への手紙』です。そしてエフェソで『コリントの信徒への手紙 一』『フィリピの信徒への手紙』『フィレモンへの手紙』『ガラテヤの信徒への手紙』、そして『コリントの信徒への手紙 二』の一部でした。この手紙はエフェソを出てからも書き続けられた複数の手紙が合成されたものと考えられています。さらにコリントで『ローマの信徒への手紙』が書き送られました。そして囚人としてローマに到着したパウロは、そこで『コロサイの信徒への手紙』『エフェソの信徒への手紙』を書き送り、獄から解放されてエフェソから『テモテへの手紙 一』『テトスへの手紙』を書き、再び逮捕されて投獄されたローマの獄から『テモテへの手紙 二』を書き送ります。彼の手紙は主に、問題を抱えた教会や個人のために書かれた手紙でした。そうした教会に直接訪問することができない事態の中で、それを代行するものとして執筆されたもので、パウロはそれらの教会や個人を「手紙」という方法で牧会したのでした。パウロの手紙は13通です。