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聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解) 第66講:躍り上がって歩きだし(使徒言行録14章8~10節)

聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解)

66講:躍り上がって歩きだし(使徒言行録14章8~10節)

 

〔今週の御言葉 使徒14章8~10節 躍り上がって歩きだし

 リストラで路傍説教をしていた時のことでした。説教するパウロの前を多くの人は忙しく行き来して通り過ぎていた中にあって、たまたまその場にいて、熱心にパウロの話に耳を傾けていた人がいました。足の不自由であった彼は、その場から動くことができなかったので、必然的にパウロの話をずっと聞いていたことになります。しかしだからその話を耳にしたというのではなく、彼は聞いているうちに心動かされるものがあって、その話に聞き入っていたのでした。次第に自分の心の中に熱くこみ上げるものが生じていきました。彼にはそれが何かは分かりませんでしたが、それを見抜いたパウロは彼に「いやされるにふさわしい信仰があるのを認め、『自分の足でまっすぐに立ちなさい』と」呼びかけます。すると「その人は躍り上がって歩きだした」のでした。彼を立ち上がらせたのは、彼自身の信仰のゆえではありません。パウロにその力があったからでもありません。ただ復活の主がそこで生きて働かれたからでした。「主は彼らの手を通してしるしと不思議な業を行い、その恵みの言葉を証しされた」のでした。不思議な御業は恵みによって起こされるもので、それを受け取るのが信仰です。ですから信仰自体が立派であるとか強いとか優れているという必要はありません。しかし信仰もない自分のうちにも主が生きて働いてくださることを願い、求めて、主が為さることを受け止めていく時、主は生きて働いてくださるのです。