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聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解) 第60講:困難を恵みに変えてくださる神(使徒言行録13章13節)

聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解)

60講:困難を恵みに変えてくださる神(使徒言行録1313節)

 

〔今週の御言葉-私訳と黙想 使徒1313節 困難を恵みに変えてくださる神

 

 キプロスから順調に始まった第一回伝道旅行は、向こう岸のぺルゲまで進みますが、そこで一員の一人であったマルコがエルサレムに帰ってしまいます。マルコがどうして敵前逃亡ともいえる行動に出たのかは、ルカは沈黙しているので分かりません。ただ最初は「バルナバとサウロは」とバルナバが主導していた伝道旅行が、途中から「パウロとその一行は」とか「パウロとバルナバは」と二人の順位が入れ替わり、それ以降はパウロが旅行を主導したことが分かります。マルコの帰還は、そのことに対する抗議の意味があったのかもしれません。このマルコの行動は、後に第二回伝道旅行に出るに際して、バルナバとパウロの間で意見の不一致を生じさせ、バルナバはマルコを連れてキプロスへ、パウロはシラスを連れてデルべへ向かい、二人は分裂してしまいます。これはどういうことでしょうか。有力な教師が仲たがいをし、分裂してしまうとは、これをどう受け止めたら良いでしょうか。一つ言えることは、このことによって伝道チームが一つから二つに増え、伝道者が二人から四人に増えたということです。こうして福音はさらに広く伝えられていくことになります。パウロとバルナバの不一致は残念なことであり、決して許容されることではありませんが、神はそのことをも用いて福音を前進して行かれたのでした。神はわたしたちが直面する困難をも、より良い事柄へと変えてくださり、生かしてくださる方なのです。