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聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解) 第57講:力に応じた助け合いによる豊かさ(使徒言行録11章27~30節)

聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解)

57講:力に応じた助け合いによる豊かさ(使徒言行録112730節)

 

〔今週の御言葉 使徒112730節 力に応じた助け合いによる豊かさ

アンティオキア教会で奉仕をしていたバルナバとサウロは、クラウディウス帝の時に起きた飢饉でエルサレム教会の貧しい人たちが苦しんでいることを聞き、救援金を携えて上京します。それはアンティオキア教会が豊かで富んでいたからではなくて、持てる物の一部を分かち合うことで、苦しんでいる人たちを助けようとする愛の思いから出た行動でした。バルナバは以前、自分の全財産を処分して、貧しい人たちに分け与えていました。このような愛の業は教会全体が共有しただけではなく、後にパウロもエルサレム教会のためにマケドニアとアカイアの教会からの義援金を集るという実践につながっていきます。このように主イエス・キリストに対する信仰とは、「愛によって働く信仰」であって、愛という実践を伴う実体を持った信仰です。ただ主イエスを観念的に信じ、抽象的に生活するのではなく、「受けるよりは与える方が幸いである」との主イエスの言葉を実生活の中で実行している、具体性を帯びたものです。わたしたちは神から多くのものを豊かに与えられています。しかしそれは自分を満足させるためではなく、隣人へと分かち与えていくために預けられたものに他なりません。それぞれの力に応じて分かち与えて生きていく時、その人生は豊かなものとされていきます。分かち与えることで相手を富ませるだけではなく、自分自身も豊かに富ませていただけるのです。分かち合いの豊かさに生きていきましょう。