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4月5日(使徒言行録5章12〜32節)

〔今週の御言葉-私訳と黙想 使徒5章12~32節 人間に従うより神に従うべき

 ところで使徒たちの手を通して、多くのしるしと多くの奇跡が民衆の中で次々に起こり続けていきました。そしてすべての人々は一つ心で、ソロモンの柱廊の中にい続けました。しかし他の人々は誰一人として、彼らの仲間になる人はいませんでしたが、しかし民衆は彼らを賞賛し続けていました。こうして大勢の男性たちと女性たちとが主を信じ、次々と加えられ続けていきました。それで人々は大通りに病気の人々を次々と運び出し、寝台や寝床の上に置いて、ペトロが通るとき、影が彼らの中の誰かを覆うようにしました。付近の町々のおびただしい群衆もまた次々と病気の人々や汚れた霊によって苦しめられている人々を運び出してエルサレムに次々と集まって来ましたが、彼らのすべてがいやされていきました。そこで大祭司と彼と共にいる人々のすべて、すなわちサドカイ派の人々は立ち上がり、妬みに満たされて、使徒たちに手をかけ、彼らを公の留置所の中に留めました。 しかし夜の間に主の御使いが牢獄の扉を開けて、彼らを連れ出し、言いました。「行って神殿の中に立って、この命の言葉をすべて民衆に語り続けていきなさい。」そこで(御使いの言葉を)聞いた彼らは夜明けごろに神殿の中に行って、教え続けていきました。すると大祭司と彼と共にいる人々がやって来て、最高法院とイスラエルの子孫たちの長老会全体を招集し、彼ら(使徒たち)が連れて来られるようにと(使者を)監獄に遣わしました。ところが下役たちが行ってみると、牢獄の中で彼らは見つからなかったので、引き返して報告して言いました。「わたしたちは牢獄が頑丈に閉じられているのを見ました。そして扉の所には番兵たちが立っていました。しかし開けると中に誰一人見つけられませんでした。」神殿守衛長と祭司長たちはこれらの言葉を聞くと、このことは一体どうなるのだろうかと彼らのことで当惑し続けました。

 

 ところがある人がやって来て、彼らに伝えました。「見てください。あなたがたが牢獄の中に置いた男たちは、神殿の中に立ち、民衆を教えています。」そこで神殿守衛長は下役たちと共に出て行き、暴力と共にではなく彼らを連れて来ました。なぜなら彼らは石打ちされないようにと、民衆を恐れていたからでした。彼らは彼ら(使徒たち)を連れて来て、最高法院の中に立たせました。そして大祭司が彼らに尋問して、言いました。「われわれはお前たちに、この名によって教えてはならないと命じた。ところが見なさい。お前たちはエルサレムをお前たちの教えで満たしてしまい、この人の血の責任をわれわれの上に負わせようとした。」するとペトロと使徒たちは答えて言いました。「人間よりも、神に従順であるべきです。わたしたちの先祖の神は、あなたがたが木の上にかけて殺した、イエスをよみがえらせました。神はこの方を支配者そして救い主として彼の右側に高く上げられました。イスラエルに悔い改めと罪の赦しを与えるためです。そしてわたしたちはこれらの出来事の証人です。そして神が彼に従順である人々に与えられる聖霊も(証人です)。」

 

 教会は再び最高法院による弾圧を受けることになります。足の不自由な人のいやしの奇跡が、復活した主イエスが生きて働いておられることの確かな証拠として宣布されたことで、さらに多くの人々が信仰に導かれました。しかしこの祝福が当局者たちの危惧を呼び、今度は十二使徒全員の逮捕という事態に発展したのでした。そこで脅迫された彼らは、「人間よりも、神に従順であるべきです」と応じました。ここで使徒たちが脅迫に屈することなく力強く宣言できたのは、単に彼らの豪胆さ、勇敢さに起因するものではなく、生きて働かれる主イエスに対する深い信頼に由来するものでした。迫害された教会が祈ったことは、「今、主よ、彼らの脅かしに御目を留めてください。そしてあなたの僕たちにこの上ない大胆さをもってあなたの御言葉を語らせてください。あなたの御手を伸ばして、あなたの聖なる僕イエスの名によって、いやしとしるしと奇跡が起こりますように」でした。そしてまさにその祈りが実現したことを目の当たりにした彼らは、生ける主が今も確かに生きて働いておられることを確信しました。そしてこの主イエスに対する生きた信仰が彼らに真実な意味での豪胆さ、勇敢さを与えました。人間的な強さや勇気ではなく主イエスを信頼するところからもたらされる強さと勇気で。様々な問題に直面し、立ち往生するわたしたちに必要なのは、この生ける主に対する生きた信仰と信頼なのではないでしょうか。