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3月12日(ルカ11章27〜28節)

〔今週の御言葉-私訳と黙想 ルカ112728節 真の幸いとは〕

 そこで彼(イエス)がこれらのことを話していたときに起こったことですが、群衆の中から一人の女性が声を張り上げて、彼に言いました。「あなたを孕んだ胎、そしてあなたが(乳を)吸った乳房は、何と幸いでしょう。」しかし彼は言いました。「いやそうではありません。神の言葉を聞いて、(それを)保つ人たちこそが幸いなのです。」

 

 主イエスの言葉を聞いていた一人の女性が叫びました。「あなたを孕んだ胎、そしてあなたが吸った乳房は、何と幸いでしょう」と。当時の女性にとっての幸いは、結婚し、出産し、子宝に恵まれ、特に跡継ぎとなる男子を産むことでした。しかし主イエスは、こうした通俗的な幸福観を否定して、「いやそうではありません。神の言葉を聞いて、保つ人たちこそ幸いなのです」と応じられました。結婚、出産、育児はもちろん人生の幸福と言えることでしょうが、そうした外面的なことが真の幸福をもたらすわけではないということをも、主イエスは見抜いておられました。価値観と生き方が多様化した現代では、もはや結婚や出産や育児が幸福だとは単純には言えなくなっていますが、それでもそうした外面的なことに心捕らわれているのも事実です。主イエスはそんなわたしたちに、「真の幸福は神の言葉を聞いて、それを保つことだ」と教えられました。「保つ」とは守る、実行するということではなく、「保持する、しっかり持つ」という意味です。神の言葉を実践するというよりも、聞いた神の言葉を心の中に留め、蓄えて、しっかりと保持していくことだと言われたのでした。あなたは苦難の時に御言葉によって励まされたり、困難に際して勇気づけられたり、奮い立たせられた経験があるでしょうか。御言葉はあなたを立たせる力を持っています。あなたも御言葉によって立たされて生きていく信仰者となっていってください。