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ソロモンにより建立された神殿

〔今週の御言葉-私訳と黙想 使徒74850節 ソロモンにより建立された神殿

 しかしいと高きお方は(人間の)手で造ったものには定住しません。預言者が言っている通りです。「天はわたしの御座、地はわたしの足の台(である)。お前たちはわたしのためにどのような家を建てるのか。わたしの安息の場所はどこか。これらすべてのものは、わたしの手が造ったものではないか。」

 

 

神殿を建立したのはソロモンでした。その奉献に際してソロモンは神殿を前に、「神は果たして地上にお住みになるでしょうか。天も、天の天もあなたをお納めすることはできません。わたしが建てたこの神殿など、なおふさわしくありません」と謙虚に祈りました。しかしその祈りとは裏腹に「荘厳な神殿を、いつの世にもとどまっていただける聖所をわたしはあなたのために建てました」とも言いました。そしてそこにソロモンの本音がありました。壮麗な神殿はフェニキアの職人たちの技術と意匠によって飾り立てられたものでした。それは幕屋とは格段に違う荘厳なものでしたが、同時にその意匠も装飾も異教の神殿を模したものでした。何よりもこれまで幕屋におられた神は地上に定住する方ではなく、必要な時に臨在する方でした。その神を地上に押し留めて定住させるために造られたのが神殿であり、つまりいつもいるわけではない神を地上に押し留めておくための家が神殿であり、必要な時いつでもそこに居るべき住まいとして、要は巨大な「お守り」として建てたのが神殿でした。「わたしはあなたと共にいる」と約束される神ですが、それはどこまでも神の自由の中での臨在であって、人間が神を自分の許に縛り付け、利用できるようにするお方ではありませんでした。神を意のままに操ろうとするための装置、それが神殿なのでした。神はそのような場所には臨在されません。わたしたちの礼拝はどうでしょうか。