神に栄光を帰し、永遠に神を喜びとする歩み
-『ウェストミンスター小教理問答』に学ぶキリスト教信仰-10
問9 創造の御業とは、何ですか。
創造の御業とは、神が、すべてのものを無から、力ある御言葉により、六つの日にわたって、万事はなはだよく造られたことです。
1.無からの創造
「初めに神は天と地を造られた」と聖書の初めに記されている、「造られた」(バーラー)は専ら神に対して用いられる言葉です。それは「製作する、作る」とは違った言葉でした。人間の製作は、神の「創造」とは根本的に違います。人間はあくまで、神がお造りになった素材を用いて「作り」ますが、神は「無から」すべてを「造られた」のでした。この「無から」とは、単に素材、材料が何も無いところでというだけではなく、そもそもあらゆる物象、天の万象も時間や空間、その他あらゆるものを、神がお造りになられたということです。例えば人間や天体、様々なものの概念と定義からして、神がなされたのです。神が太陽とはこのようなものであるとされたことに基づいて、太陽という物の本質が定義づけられ、それに基づいて太陽が、何も材料のないところから造られたのでした。これが「無からの創造」です。ですから全ての物は、神に起源を持ち、その存在も保持も神に依存しており、神のうちに支配されているのです。神はこれらのすべてについての知識を持っておられ、把握しつつ統治せられているのです。その存在の意義も目的も、すべては神のうちにあるのです。神がこの世界を創造されました。だから「すべてのものは神から出て、神によって保たれ、神に向かっているのです」(ローマ11章36節)