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2022年敬老祝福礼拝「まことの故郷を目指して」

2022年敬老祝福礼拝「まことの故郷を目指して」

 

〔今週の御言葉 まことの故郷を目指して〕

 皆さんそれぞれに故郷をお持ちだと思います。わたしの故郷は静岡県三島市です。今でも時々三島に帰った夢を見ます。もう40年以上も前ですから、周りはすっかり以前とは変わっているでしょう。しかしそれでも自分にとっての故郷は三島です。老後は三島に帰れたら良いなあとさえ思います。皆さんにもそんな故郷があるのではないでしょうか。歳を重ねていく中で気づかされることは、前できたことが少しずつできなくなる、自分にとって大切なものを少しずつ失っていくということではないでしょうか。家族や友人を失い、仕事や地位を失い、身体能力や記憶を失っていきます。しかしそれをマイナスに考えるのではなく、プラスと考えることができます。わたしたちが、自分の大切なものを一つずつ失っていくのは、最後の最後に残るただ一つのものに思いを向けるようになるためです。様々なものを失いながら、最後に残るただ一つのものとは何でしょうか。それは自分の命です。それもただ地上だけの命ではなく、永遠に生き続ける永遠の命です。普段、毎日の生活に追われて生きているときにはほとんど考えることも、省みることもない永遠の命に思いを向け、それに備えるようにと、それ以外の不必要なものは一つ一つ引き剝がされていくのです。わたしたちはそれぞれに故郷を目指して生きています。その故郷とは本当の心の故郷である天の国です。天の国を目指しながら、今日も一歩ずつ歩んでいきましょう。