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聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解) 第81講:挫折をも用いて成長させる神(使徒言行録18章1~11節-2)

聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解)

81講:挫折をも用いて成長させる神(使徒言行録18章1~11節-2)

 

〔今週の御言葉 使徒18章1~11節 挫折をも用いて成長させる神

 

 アテネでの失敗は、すでに熟練の域に達していたパウロにとって大きな挫折となりました。しかしそこでもう一度立ち止まり、自分の働きを省みる機会を与えられたパウロは、コリントで大きな成果を収めることになります。これまではどこかで自分の力や知恵に寄り頼んで働いていたことを反省し、これからはただ主イエスのみに寄り頼んで働いていくことになるからでした。このコリントの成功は、アテネでの失敗と挫折があってこその働きでした。自分の働きがうまくできないとき、わたしたちはもう一度自分の失敗を省みて、熟考させられ、祈らせられます。そしてこの挫折と内省の経験と、その苦しみの中での祈りの経験こそが、わたしたちを成長させていくのです。そのことによってわたしたちは、自分の働きが自分自身の力と知恵に基づくものではなくて、主ご自身の助けと働きによることを挫折と失敗によって深く学ばされていくからです。そして真実にただ主に寄り頼んで奉仕する者とされていくのです。さらにまたこのアテネでの失敗と挫折は、パウロに自分の使命を再び明確にさせることにもなりました。パウロは自分が語り告げるべきことは、人々が喜んで聞きたがるような「この世の知恵」ではなくて、「十字架につけられたキリスト」に他ならないことを理解しました。そしてこれ以降のパウロは臆することなく、ただ「十字架につけられたキリスト」のみを大胆に語り仕える福音の勇者とされていきます。