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聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解) 第80講:気落ちしたパウロへの主の励まし(使徒言行録17章32節~18章11節)

聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解)

80講:気落ちしたパウロへの主の励まし(使徒言行録1732節~1811節)

 

〔今週の御言葉 使徒1732節~1811節 気落ちしたパウロへの主の励まし

 

 自身の知恵を尽くして語ったアテネでの説教は、ものの見事に失敗し、聴衆は途中で席を立って出て行ってしまうという大失態を演じる結果となり、パウロは逃げるようにしてコリントに向かいました。この時パウロは異邦人に対して語る言葉を失ったと考えられます。自分の力の限りを尽くして語った説教はアテネ人には通用せず、それではどのように語っていったらよいのか分からなくなり、何よりパウロは自信をすっかり喪失してしまったと考えられます。アクラの仕事場で黙々とテントを作る針仕事をしながら、パウロはもがいたに違いありません。若輩なら多少の失敗はその後の肥やしになりますが、円熟してからの失敗は、深い精神的危機をもたらすものとなったことでしょう。そのようなパウロに主はどのように接しられたでしょうか。ある晩主は彼に「恐れるな。語り続けよ。黙っているな」と呼びかけました。「わたしがあなたと共にいる」という約束と共に。そして「わたしの民が大勢いる」とも約束してくださいました。パウロは孤立無援で戦っているわけではないのです。彼を支える人々がいて、彼と共に戦ってくれるのです。何より主が共にいてくださるのです。これ以上の助けがあるでしょうか。主はわたしたちにも同じ約束をくださいます。「恐れるな、わたしがあなたと共にいる」と。そして共に祈りをもって戦ってくれる兄弟姉妹がいるのです。主が共にいてくださることを信じて出て行きましょう。