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聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解) 第76講:主イエスを土台にした人生(使徒言行録16章25~40節)

聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解)

76講:主イエスを土台にした人生(使徒言行録162540節)

 

〔今週の御言葉-私訳と黙想 使徒162540節 主イエスを土台にした人生

 

 フィリピの街を大地震が襲った時、看守だった人の人生にも激震が走りました。それは物理的な地震ではなく彼自身の人生を襲った地震でした。ローマの植民都市の看守の長にまでのし上がってきた彼の人生は、すんでのところでおしまいになるところでした。監獄の戸がすべて開いていることを見た彼は、剣を抜いて自害しようとします。ローマの規律では、囚人を逃がした者は、死罪と定められていたからでした。てっきりすべての囚人が逃げてしまったものと思った看守は、覚悟を決めて自害しようとします。これまで涙ぐましい努力をして、営々と築き上げてきたものはあっさりと崩れ去ってしまいました。彼は自分の堅固だと思っていた人生が、いかにもろいものの上に建てられていたかを覚えたことでしょう。ところが牢の奥から声がしました。自害してはならない、わたしたちは皆ここにいると。急いでパウロの許に行くと、逃げたと思っていた囚人が全員そこにいました。いったんはあきらめた人生、彼は震える思いの中で問いました。「救われるためにはどうしたら良いですか」と。すかさずパウロは答えます。「主イエスを信じなさい。そうすればあなたも家族も救われます」と。主イエスを信じるとは、主イエスを人生の土台とすることです。自分の人生を主イエスの上に建て上げていくことです。そうしていくとき、わたしたちは揺るぐことのない確かな土台の上に、自分の人生を築いていくことができるのです。