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聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解) 第70講:人への怖れと神への畏れ(使徒言行録14章27節~15章2節a-2)

聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解)

70講:人への怖れと神への畏れ(使徒言行録1427節~15章2節a-2)

 

〔今週の御言葉 使徒1427節~15章2節a 人への怖れと神への畏れ

 

 アンティオキア教会に問題が生じました。異邦人は割礼を受けなければ救われないと主張する人々によって混乱をきたしたのです。そうしたユダヤ主義的な兄弟たちの主張に、ペトロやバルナバまでもが同調するようになり、そうした主張に賛同する者と反対する者とで教会は二つに分裂してしまったのでした。割礼のほかに、ユダヤ人には食していけない食べ物があり、また料理や給仕など細かく決められた清浄規定があり、ユダヤ人キリスト者はそれを厳格に守っていたために、それを守らない異邦人キリスト者とは一緒に食事をすることが不可能でした。当時の聖餐は食事の中で祝うようにしていたため食事が分断されただけではなく、共に聖餐を祝うこともできなくなり、両者は別々に聖餐を行う事態となってしまったのでした。これでは「イエス・キリストにおいて一つ」であるはずのユダヤ人と異邦人のキリスト者の交わりが破壊されてしまう、そのことを問題視したパウロは、それを実行していたペトロやバルナバを激しく譴責しました。そしてこうした問題を解決するためにエルサレムで会議がもたれることとなりました。元々は異邦人の家を出入りし、彼らと分け隔てなく食事を共にしていたペトロでしたが、一部の人々からの批判を受けると、異邦人キリスト者との交わりから身を引いてしまいました。そこにあったのは、神を畏れることよりも、人を怖れたということでした。わたしたちはいかがでしょうか。