アブラハムの子、ダビデの子、イエス・キリスト(マタイ1章1~17節)

【今週の御言葉:マタイ1章1~17節 アブラハムの子、ダビデの子、イエス・キリスト】

 

今年の待降節はマタイ福音書からクリスマスの出来事をたどっていきましょう。新約聖書の通読を志して、マタイ福音書から読み始める方の多くに、しょっぱなから高い壁がそそり立っている、それがこの系図の個所ではないでしょうか。カタカナの羅列で、聖書に通じている人はともかく、初めての人は、出だしから出鼻をくじかれる、そんな難所ではないかと思います。しかし旧抑制書の歴史に通じている方にとっては、これほど興味深い個所もないとも言えます。この個所を用いて旧約聖書の歴史をたどることができるほど、見事に旧約聖書の歴史を要約した個所、ということもできます。しかしここに羅列された数ある名前の中で、重要なのは最初に一節、「アブラハムの子ダビデの子、イエス・キリストの系図」という言葉です。この系図は、クリスマスのお生まれになったイエス・キリストが、たまたま偶然生まれた方なのではなく、長い歴史の中で、一つの民族の中から約束としてお生まれになられた方であることを意味しています。そこで重要なのが、アブラハムとダビデなのです。何が重要かというと、神は彼らと契約を結ばれたからです。そしてその契約に基づいてお生まれになったのが、イエス・キリストであることを示しているのです。神がアブラハムと結ばれた契約とダビデと結ばれた契約、この契約に基づいてイエス・キリストは救い主としてお生まれになりました。その誕生を心から待ち望みましょう。