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聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解) 第61講:忍耐をもって憐れんでくださる神(使徒言行録13章14~25節)

聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解)

61講:忍耐をもって憐れんでくださる神(使徒言行録131425節)

 

〔今週の御言葉 使徒131425節 忍耐をもって憐れんでくださる神

 

 ピシディアのアンティオキアの会堂でパウロは福音を語りました。この長い説教の最初の段落では、アブラハム以来のイスラエルの歴史がたどられていきます。そこでのパウロの説教の中心点は、「神は約束に従って、このダビデの子孫からイスラエルに救い主イエスを送ってくださったのです」ということで、「この救いの言葉はわたしたちに送られました」と宣言します。この救い主、主イエスが到来するまでのイスラエルの歴史は、背信と反逆の歴史でした。神が何度も悔い改めを呼びかけたにもかかわらず、イスラエルは背信を重ねて、ついに王国滅亡に至ります。捕囚から戻されますが、今は異邦人の蹂躙の中で苦役にあえいでいますが、それはどこまでもイスラエルの背信に基づくものでした。しかし神はこの背信のイスラエルを見捨てられることなく、アブラハムとダビデを通して約束しておられた救い主をお与えになったのでした。それがダビデの子イエスでした。こうして神はイスラエルの民と結んだ契約を果してくださいました。イスラエルが神を見捨てても、神はイスラエルを見捨てられることなく、彼らを憐れんで御自身の救いの御業を果してくださったのでした。わたしたちも、この神の憐れみの中で生かされています。たとえわたしたちが神を見捨てても、神はわたしたちを見捨てられることはなく、わたしたちが神から離れても、神はそのわたしたちと共にいてくださる、どこまでも憐れみの神なのです。