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聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解) 第59講:真の導き手の必要(使徒言行録13章1~12節)

聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解)

59講:真の導き手の必要(使徒言行録13章1~12節)

 

〔今週の御言葉 使徒13章1~12節 真の導き手の必要

 

 バルナバとサウロは、第一回伝道旅行に遣わされます。そこで最初に赴いたのは、バルナバの故郷キプロス島でした。彼らはそこで地方総督セルギウス・パウルスと、彼の政治顧問であったバルイエスという魔術師エリマと出会います。サウロはエリマが「あらゆる偽りと欺きに満ちた者、悪魔の子、すべての正義の敵」であり、「主のまっすぐな道をゆがめようとする」のを見抜いて、彼が盲目になることを宣言します。するとその言葉通りになり、これによって総督パウルスは信仰に入ります。しかしいくら偽りと欺きに満ちた者であったとしても、盲目にするのはひどいではないかと思うかもしれません。しかしサウロは、その盲目がずっとというのではなく、「時が来るまで」と言いました。つまり後には再び目が開かれたのです。それではどうしてこのようなことが起こされたのでしょうか。実はこのことはサウロ自身も経験していたことでした。彼は肉体の目を盲目にされましたが、それは自分の霊的盲目に気づかされるためでした。エルマに起きたことも同じです。彼は自分がユダヤ人でありながら、真の神を知らず、魔術によって人を驚かせることによって力を誇示し、「偽りと欺き」の中を生きていました。彼の霊的な目が盲目であることを理解するために、彼は一時的に盲目にされますが、それは彼に対する罰というよりも、目を開かせるための神の憐れみでした。伝承では彼は信仰を持ったことが伝えられています。