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聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解) 第54講:異邦人に広がる福音(使徒言行録10章44節~11章18節)

聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解)

54講:異邦人に広がる福音(使徒言行録1044節~1118節)

 

〔今週の御言葉 使徒104411章~18節 異邦人に広がる福音

 

 ユダヤ人は、清浄規定を守らない異邦人と交わりを持つことも、一緒に食卓に着くこともできませんでした。そのため異邦人が神の民に加えられるのは、ただ律法を遵守するだけではなく、割礼を受けてユダヤ人となることで受け入れられると考えられていました。ですからキリスト者となったユダヤ人は、異邦人が教会に受け入れられるのは同様の手続きを踏まなければならないと見なしていました。しかし神はそのように人を分け隔てする方ではなく、ユダヤ人と同様に異邦人も等しく受け入れることを示されました。異邦人の家を訪問して、共に食事をしたことをとがめられたペトロは、コルネリウスの家で起きた出来事を証言します。そこではかつてペンテコステの日に起きたのと同じ聖霊降臨が起きたことを証しし、このことは神から出たことであることを明らかにします。すると反対していた人たちを含めて、神が異邦人をもユダヤ人と等しく神の民に加えられたことを喜び、神を賛美するのでした。こうして異邦人が、一度ユダヤ人になってから教会に受け入れられるというのではなく、異邦人は異邦人のままで、ただ洗礼を受けることが受け入れられることが鮮明にされます。このことが異邦人を多数抱えることになるアンティオキア教会への橋渡しとなります。神は、神を畏れるどのような人をも受け入れてくださるのです。