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聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解) 第51講:人を分け隔てされない神(使徒言行録10章1~33節)

聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解)

51講:人を分け隔てされない神(使徒言行録10章1~33節) 5月9日

 

〔今週の御言葉 使徒10章1~33節 人を分け隔てされない神

福音が世界へと広げられていくために乗り越えられなければならない壁がありました。それはユダヤ人と異邦人をと隔てる「隔ての壁」でした。ユダヤ人は、異邦人の異教に満ちた生活習慣と文化、そして宗教から隔離されるために「清浄規定」が与えられ、彼らはそれを忠実に遵守してきました。しかしそのことでユダヤ人は、異邦人と自由に交わり、交流することができなくなっていき、彼らの心に異邦人に対する「隔ての壁」が構築されてしまっていました。福音が異邦人にも伝えられ、彼らもキリスト者として迎えられるようになると、彼らをどのように受容していくかということが喫緊の課題となってきました。ユダヤ人キリスト者は、異邦人も一度ユダヤ人になることによって、キリスト者として迎え入れられると考えていました。具体的には割礼を受け、ユダヤ人がそうしているように律法を完全に遵守することです。しかし神は、「神が清めた物を、清くないなどと、あなたは言ってはならない」と厳命されます。そして神は「どんな国の人でも、神を畏れて正しいことを行う人は、神に受け入れられる」こと、「神は人を分け隔てなさらない」ことを明らかにされます。わたしたちにも人を分け隔てしないことを求めておられるのです。わたしたちの内にも様々な「隔ての壁」が存在していないでしょうか。福音はそうした隔てを打ち破る力を持っています。人を分け隔てしない者となることを求めておられるのです。