聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解)
第45講:サウロからパウロへの転換(使徒言行録9章19~22節) 3月14日
〔今週の御言葉 使徒9章19~22節 サウロからパウロへの転換〕
目が見えなくなったサウロは三日間飲まず食わずで過ごしました。何もできない状況の中で彼は祈ったのでした。もともと活動的で行動的であったサウロにとって、何もできない三日間はつらい経験だったことでしょう。しかしこの三日間こそ、教会の迫害者サウロが異邦人の使徒パウロへと変貌していく上で重要な出来事となりました。表面的には何もできないでいたサウロですが、心の中では深い主のお取り扱いを受けていました。そこで彼はダマスコ途上で見た神の栄光に輝く復活の主イエスについて思いめぐらしたはずです。そしてそのことをこれまで学び続けてきた聖書と照らし合わせて思索し、主イエスに対する全く新しい理解へと深められていきました。そしてそこで理解したのは、十字架につけられたイエスこそまさしくメシアであるということでした。しかしその深い理解に至るためには、ダマスコでの弾圧の強制終了と三日間の沈思黙考が必要でした。何も見えず、何もできない状況の中で、サウロは自分に起きた出来事と語りかけられた声を考え続けたことでしょう。そしてそこで初めてサウロは、自分が神の敵と見なして迫害していたイエスこそ神の子メシアであることを理解するのでした。目が見えるようになってからのサウロは、なおも学びを続けるということはなく、ただちにイエスは神の子であると告白して大胆に福音を語り始めていきます。わたしたちにもこの強制終了が必要ではないでしょうか。