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聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解) 第41講:聖霊の賜物に対する正しい理解(使徒言行録8章9~25節)

聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解)

41講:聖霊の賜物に対する正しい理解(使徒言行録8章9~25節) 214

 

〔今週の御言葉 使徒8章9~25節 聖霊の賜物に対する正しい理解

 フィリポのサマリア伝道は成功を収め、多くのサマリア人が福音に帰依しました。その中に魔術師シモンもいました。しかし彼の回心は本物ではなく、フィリポが為した不思議な業に驚き、その力を自分も手に入れたいと願っての、うわべだけのものでした。ペトロとヨハネによって聖霊が降り、さらに大きな業が為されるのを目の当たりにしたシモンは、その力を手に入れたいと金を持ってきます。聖霊の業が、金で手に入る魔術のようなものと勘違いしたのでしょう。シモンが聖霊の業を手に入れたいと願ったのは、人々からの驚嘆を受けて評判になるためで、どこまでも自分の満足のためのものでした。しかし聖霊の業は決して人間の満足のために為されるものではありません。聖霊の賜物を祈り求めれば与えられるものと勘違いする人たちがいますが、聖霊の賜物はあくまでも聖霊ご自身の主体的な働きの中で与えられるもので、聖霊が「望むままに」与えられるものです。しかもそれは個々人を満足させるためのものではなくて、「全体の益」のために与えられるものです。「全体の益」とは、具体的には「キリストの体である教会」を建て上げるために仕えるということです。聖霊の賜物には様々な種類・多様な働きがありますが、聖霊が与えてくださる、教会を建て上げるための究極的な賜物とは、「愛」です。「愛」が真実に教会を建て上げていく真実な賜物です。聖霊が結ばせてくださる「愛」をこそ求めていきましょう。