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聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解) 第37講:ガマリエルの門下生サウロ(使徒言行録8章1~3節) 1月17日

聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解)

37講:ガマリエルの門下生サウロ(使徒言行録8章1~3節) 117

 

〔今週の御言葉 使徒8章1~3節 ガマリエルの門下生サウロ

 

 サウロはエルサレムに送り出され、ガマリエルの門下生として律法の研究に励むことになります。そこでサウロは律法に忠実に生きるあり方を修得していくことになりますが、ガマリエルの門下生であったサウロが、後に教会の迫害者となることは考えにくいことでした。なぜならガマリエルは律法に寛容なヒルレル派の頭であったからです。使徒たちが最高法院で裁判を受けていた時、いきり立つ人々をなだめて彼らを擁護したのがガマリエルでした。その門下生として育ったサウロが教会を迫害する者となることは考えにくいのです。パウロは自分に決められた道を忠実に歩んできたわけで、神はそのために必要な外的環境を用意していかれました。ヘレニストユダヤ人でありながら、律法に厳格なファリサイ派の家に生まれ育ち、将来は律法学者となるべくガマリエルの許に送られます。こうした外的環境がサウロに決定的な影響を与えたのは事実ですが、決められた道があるからと言って、それは運命や宿命とは違い、与えられた環境の中でどのように成長していくかは自分自身が決めていくことです。ですからそこで神の意志に反した選択をしたり、頑なな人間となることもあります。もしサウロがガマリエルの教えに忠実であったらキリスト教徒に対してもう少し寛容な立場を取ったはずですが、そうではありませんでした。わたしたちも与えられた環境の中でどのように神に忠実に歩んでいくかが問われているのです。