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聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解) 第36講:タルソス出身のサウロ(使徒言行録8章1~3節)2021年1月10日

聖霊の力による使徒の働きと教会の発展(使徒言行録講解)

36講:タルソス出身のサウロ(使徒言行録8章1~3節)2021年110

 

〔今週の御言葉 使徒8章1~3節 タルソス出身のサウロ

 

 パウロは自分を「キリキア州のタルソスで生まれたユダヤ人」と紹介します。タルソスはローマ帝国四番目の大都市で、アテネを凌駕するほど文化レベルの高い町でした。パウロはアテネでの説教でローマの詩人を引用しますが、こうした教養はおそらく文化都市タルソス出身であることが影響しているでしょう。彼はここでギリシャ語を自在に操るだけの教養を身に着けますが、それが後の世界宣教において大いに貢献することになります。しかし通常パレスチナの外に居住するディアスポラ(離散)のユダヤ人はヘレニストとして、ユダヤの言葉と文化、風習に疎く、律法遵守において弱い面がありますが、彼は自らを「ヘブライ人の中のヘブライ人」「生まれて八日目の割礼を受けた」「生まれながらのファリサイ派」と言うくらい、律法に厳格な家庭で生まれ育ち、律法に対して同世代では一頭抜き出た熱心さを示す人物として成長していきます。その先にあるのがステファノ殺害に賛成する教会の迫害者でした。しかしそこから彼は復活の主イエスに出会うことで大きく変えられます。そして彼は「異邦人の使徒」として「母の胎内にあるときから選び分け、恵みによって召し出」されます。自分の人生を振り返ってパウロは、「決められた道を走りとおし」と語りました。神には彼に対する計画があり、彼はその道を走り抜いていくのです。わたしたちにも「決められた道」があります。それに従順に従い続けていきましょう。