創造から終末に至る神の救いの計画 第4講:堕落後に与えられた原福音の約束 創世記3章8~23節(10月18日)

【今週の御言葉 創世記3章8~23節 堕落後に与えられた原福音の約束

 堕落後の人間が、神からの指摘を受けて最初にしたことは、相互の責任転嫁でした。「どこにいるのか」という問いは、体の居場所ではなく心の居場所を問うものであり、その場所、つまり神の信頼を裏切り、愛を踏みにじったことで、神との関係が破壊され、交わりがたれた状態にいることが正しいかどうかを問うものでした。それにアダムが気づいて、ごめんなさいと進み出てきたら、この後の人類全体の歩みは全く違ったものになったことでしょう。しかし彼らは神に自らの過ちを認めて謝罪するどころか、アダムはエバに、エバは蛇にとそれぞれ責任転嫁をするだけで、謝罪せず、自らの過ち認めようとはしませんでした。こうして「男と女」に造られて、相互の交わりに生きる存在とされた人間は、互いに敵対し合うようになり、自らの非を認めず相手を誹謗し、自らが負うべき責任を他者へと転嫁して、交わりは破綻してしまいました。そしてここでアダムは責任をただ「女」と言わず、「あなたがわたしと共にいるようにしてくださった女」ということで、実は神御自身を糾弾するに至っています。こうして自らの罪を認めようとしない人間に、神はそれぞれにふさわしい処罰を与えます。しかしその中で神は、堕落した直後の人間に、「原福音」と呼ばれやがて救い主が与えられる約束をされます。そしてこの後いよいよ、人間を罪と滅びから救おうとする神の救いの計画が始動していき、「恵みの契約」に至るのです。