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8月2日(使徒言行録7章42〜43節)

〔今週の御言葉-私訳と黙想 使徒7章42~43節 背信のイスラエルに対する神の約束〕

 しかし神は顔をそむけて、彼らが天の軍勢に仕えるにまかせました。預言者の書に書かれてある通りです。「お前たちは荒れ野の中の四十年の間に、供え物といけにえをわたしに捧げたか、イスラエルの家よ。むしろお前たちはモレクの幕屋と、お前たちの神であるライファンの星を担いだ。それらはお前たちが拝むために造った数々の偶像である。だからわたしはお前たちをバビロンのかなたに移住させるだろう。」

 

ステファノは次にアモスの預言を引用して、これまでのイスラエルの歴史が繰り返し神を裏切り、その愛を踏みにじってきた背信の歴史であったことを明らかにします。アモスは紀元前8世紀、北イスラエル王国が繁栄の絶頂にあった時に、その繁栄の背後で多くの貧しい者たちが虐げられ、搾取されて苦しんでいる中、蔓延していた偶像礼拝と社会的不正義を告発し神の裁きと王国の滅亡を預言しました。北イスラエル王国では王国分裂以来ヤロブアムによって金の子牛像が設置されて以来、それを国家宗教として大々的に宣伝され、数多くの犠牲が大量に捧げられ、華々しい祭儀が執り行われていましたが、肝心の隣人を自分のように愛するという愛の戒めは軽んじられ、踏みにじられて、王国の繁栄は一部の富裕層が多くの貧困層を搾取することで成り立っていたものにすぎませんでした。礼拝には多くの犠牲が捧げられましたが、それは貧しい者たちから搾り取ったものでした。主なる神は、こうして捧げられる空虚な礼拝を忌み嫌い、それを退けられ、彼らが悔い改めて、正義と愛を行うように説き勧めさせましたが、彼らは預言者たちの言葉に聞き従おうとはしませんでした。そこで王国滅亡と他国への捕囚が予告されますが、それはその出来事が実現しないようにという神からの警告でした。神が望んでおられたのは、イスラエルが真実に神に立ち帰るということなのでした。わたしたちの礼拝はいかがでしょうか。