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7月5日(使徒言行録7章30〜38節)

〔今週の御言葉-私訳と黙想 使徒7章30~38節 イスラエルと共にいた契約の神〕

 そして40年が満ちると、シナイ山の荒れ野において、御使いが柴の火の炎の中で彼に現れました。そこでモーセはその幻を見て不思議に思い続け、よく見ようと近寄って行ったとき、主の声が起こりました。「わたしはあなたの父祖たちの神、アブラハムとイサクとヤコブの神(である)。」しかしモーセは震え上がり、あえてよく見ようとはしませんでした。そこで主は彼に言いました。「あなたの足の履き物を脱ぎなさい。なぜならあなたが立っている場所は聖なる地だからだ。わたしはエジプトでのわたしの民への虐待を確かに見た。そして彼らのうめきを聞いた。そしてわたしは彼らを救い出すために降って来た。さあ今わたしはあなたをエジプトに遣わそう。」「だれがお前を支配者そして裁判官に任命したのか」と言って人々が拒絶したこのモーセを、神は柴の中で彼に現れた御使いの手で支配者として救済者として遣わされたのです。この人は彼らを連れ出して、エジプトの地の中で、そして紅海の中で、そして荒れ野の中で40年間、数々の不思議と奇跡を行いました。この人がイスラエルの子孫たちに、「神はわたしのように、あなたがたのためにあなたがたの兄弟たちの中から一人の預言者を立ち上がらせられるでしょう」と言ったあのモーセです。この人がシナイ山において、彼に語る御使いやわたしたちの先祖たちと共に荒れ野の集会にいて、生ける言葉を受けてわたしたちに与えてくれました。

 

 エジプトを脱出したイスラエルの民は「意気揚々」と出て行きました。ところがそこにエジプトの精鋭部隊が迫って来ました。目の前は海、後ろはエジプト軍、逃げ場を失ったイスラエルの民はモーセに食ってかかります。そのとき慌てふためくイスラエルの民にモーセは語るのでした。「落ち着いて、今日、あなたたちのために行われる主の救いを見なさい。主があなたたちのために戦われる。あなたたちは静かにしていなさい。」世界最強の軍勢が追い迫り背後から襲いかかろうとしているとき、モーセは言いました。「恐れてはならない」と。モーセのこの自信と平安は何に基づくものでしょうか。この後モーセが杖をかかげると目の前の海は二つに分かれて道ができ、イスラエルの民は海の中を逃げのびていきます。しかしこのような奇跡が起ころうなどとはモーセ自身も想像さえしなかったのではないでしょうか。しかしそれでもモーセは民に断言することができました。「主があなたたちのために戦われる」と。おそらくはモーセ自身どのように主が戦ってくださるのか、そして自分たちをこの危機から救い出してくださるのか知りはしなかったでしょう。それでもなおモーセが民を励ますことができたのは、主の約束があったからではないでしょうか。「わたしは必ずあなたと共にいる。このことこそ、わたしがあなたを遣わすしるしである」。この約束こそ、どのような困難に直面しても平安でいることができる根拠なのです。