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5月3日(使徒言行録7章1〜8節)

〔今週の御言葉-私訳と黙想 使徒7章1~8節 アブラハムに現れた栄光の神〕

 そこで大祭司が言いました。「あなたはこれらのことをこのように持っているのか。」すると彼(ステファノ)は言い続けました。「兄弟たちまた父たちである皆さん、聞いてください。栄光の神は、わたしたちの父アブラハムがカランに定住する前に、メソポタミアにいたときに現れました。そして彼に向かって言いました。あなたの(先祖代々住んでいた)土地とあなたの親族から出て行きなさい。そしてわたしがあなたに示す土地に来なさい。」それから彼はカルデアの土地から出て行き、カランに定住しました。彼の父(テラ)が死んだ後に、彼(神)はそこから、あなたがたが今定住している土地に彼(アブラハム)を定住させました。しかし彼(神)はその中で彼(アブラハム)に財産も、一歩の幅の土地も与えませんでした。しかし子どものいない彼に、そして彼の後の彼の子孫に、それを所有地として与えると約束されました。しかし神は語りました。「彼の子孫は他の土地で寄留者となる。そして奴隷とされ、四百年間虐待されるでしょう。しかし(彼らを)奴隷とする国民をわたしは裁くでしょう。」神は言われました。「そしてこれらの後に、彼らは出て行くでしょう。そしてこの場所で彼らはわたしに仕えるでしょう。」そして彼(神)は彼(アブラハム)に割礼の契約を与えました。そしてこのように、彼はイサクを生み、八日目に彼に割礼を施しました。そしてイサクはヤコブを、そしてヤコブは十二人の族長たちを生みました。

*( )は原文にはないが理解に供するため付加したもの。

 

ステファノはアブラハムに現れた神を語りました。神がアブラハムに求められたことは、「あなたの生まれ故郷、父の家を離れて、わたしが示す地に行きなさい」ということでした。ここで覚えたいことは、アブラハムは神からこれからどこへ行くのか行き先を教えられなかったということです。そこではただどこから出て来るべきか、つまり自分が慣れ親しんだ居心地のよい「生まれ故郷、父の家」を離れて出て行くことが命じられただけでした。それでもアブラハムはこの神の呼びかけに応じて出て行ったのです。こうして「信仰によって、アブラハムは、自分が財産として受け継ぐことになる土地に出て行くように召し出されると、これに服従し、行き先も知らずに出発したのです」。ここでわたしたちは「信仰」とはどのようなものかを教えられていきます。ここでアブラハムが神の呼びかけに答えて、「行き先も知らずに出発し」、神に従って行ったという信仰は、神を信頼し服従していったことを表すものでした。そこでは神が自分に為さる御心を信頼して、たとえ自分の願うものを手に入れることができても、できなくても、祈る道が開かれても、開かれなくても、神を信頼していったのです。「見えるものに対する希望は希望ではありません。現に見ているものをだれがなお望むでしょうか。わたしたちは、目に見えないものを望んでいるなら、忍耐して待ち望むのです」と言い得る、強い信仰を与えられていきたいものです。