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3月29日(使徒言行録4章32節〜5章11節)

〔今週の御言葉-私訳と黙想 使徒4章32節~5章11節 すべてを知る神への畏怖

 そして信じた者たちの群れの心と魂はずっと一つであり続けました。そして誰一人として、その人の所有物の何かを自分自身のものであると言い張らず、かえって彼らにとってはすべてのものを共有になり続けていました。そして使徒たちは大きな力を持って、主イエスの復活の証しを次々と差し出し続けていました。そして大きな恵みも彼らのすべての上に臨み続けていました。そのため彼らの中には誰かが貧しいままでいるということはありませんでした。なぜなら土地や家を所有している人々は誰もが売りに出して、売った代金を持ってきて、使徒たちの足元に置いていったからでした。そして誰か必要があるとそれぞれに応じて分け与えられていきました。ところで使徒たちからバルナバ、訳すと「慰めの子」と呼ばれていたヨセフは、キプロス生まれのレビ人でしたが、所有していた農園を売り、現金を持ってきて、使徒たちの足元に置きました。

 

 ところでハナニアという名の男が、彼の妻サッフィラと共に土地を売りました。そして彼は妻とも示し合わせて、その代金を横領しました。そして彼は一部だけを持ってきて、使徒たちの足元に置きました。そこでペトロは言いました。「ハナニア、どうしてサタンがあなたの心を満たして、聖霊を欺き、土地の代金を盗み取ったのか。とどめておいても、あなたに残り続けたし、売られてもあなたの権利の中にあり続けたではないか。それなのにどうしてあなたは、あなたの心でこの行為をたくらんだのか。あなたは人間ではなく、神を欺いたのだ。」これらの言葉を聞いていたハナニアは倒れて、息絶えました。そして聞いていたすべての人々に大きな恐怖が起こりました。そこで若い人々が立ち上がり、彼を包み、運び出して葬りました。三時間ほど経ってから、彼の妻が起こったことを知らないで入って行きました。そこでペトロは彼女に向かって話しかけました。「わたしに言いなさい。あなたがたは土地をこれだけで売ったのか。」すると彼女は言いました。「はい、これだけです。」そこでペトロは彼女に向かって(言いました)。「どうしてあなたがたは一致して主の霊を試みたのか。あなたの夫を葬った人たちの足が戸口に(来ています)。そしてあなたをも運び出すでしょう。すると彼女はたちまち彼の足元に倒れて、息絶えました。

 

 バルナバが自分の土地を売って、それを教会に献げたことは教会に反響を呼び、それに続く人々が現れました。ハナニアとサッフィラも同じでした。ただ外面的には同じに見えた行為の本質はまったく違ったものでした。献げた額の多少の問題ではなく、また一部しか献げなかったこと自体が問題でもなく、問題はそれをした動機にありました。バルナバは貧窮する人々に対する心からの同情から、自分の全財産を施すという自己犠牲を払いましたが、ハナニアたちは見かけはそのように見えながら、実は自分たち自身のために為しました。他の人々からの評判や名誉を受け、立派な信仰者と評価されるために、そしてそのように他者のために生きる自分たち自身に満足するためにです。自己満足と虚栄心のためにそれを行い、しかも教会と神を欺いたことが問題でした。彼らは自分たちの土地を売り払う義務はなかったし、一部を手元において他の一部を献げることも問題ではありませんでした。外面に表された行為ではなく、その動機が問題であり、そのために教会を欺いたことが問題でした。しかしそれは何も彼らだけの問題ではありません。わたしたちの奉仕はどうでしょうか。わたしたちは純粋に主に仕える思いから奉仕しているでしょうか。心のどこかで他の人からの評価を求めたり、自己満足のためにしていることはないでしょうか。わたしたちを主が見ておられることを覚えて、主の前に真実に歩んでいきましょう。