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9月22日(ルカ23章1〜16節)

〔今週の御言葉-私訳と黙想 ルカ23章1~16節 わたしたちの身代わりの裁判〕

 そこで彼らの群衆全体は立ち上がって、彼をピラトのもとに連行しました。そして彼らは彼を訴え始めて言いました。「この者はわたしたちの国民を惑わして、皇帝に税を納めるのを妨げ、そして自分を王なるキリストであると主張しているのが分かりました。」そこでピラトは彼に尋ねて言いました。「お前はユダヤ人の王か。」しかし彼(イエス)は彼(ピラト)に答えて言いました。「あなたが言っていることです。」そこでピラトは祭司長たちと群衆に向かって言いました。「わたしはこの人間に何の犯罪も見出せない。」しかし彼らは次々と強硬に主張して言い続けました。「彼はガリラヤからここ(エルサレム)までユダヤ全体で教えながら民衆を扇動し続けているのです。」ところがピラトは(それを)聞いて、この人がガリラヤ人なのか尋ねて聞きました。そして彼がヘロデ(・アンティパス)の権威に属することを知ったので、彼をヘロデのところへ送りました。彼(ヘロデ)もまたこれらの日々にエルサレムにいたからでした。そこでヘロデはイエスを見て非常に喜びました。なぜなら彼は彼について聞いていたので、長い間彼を見たいと思っていたからでした。そして何かの奇跡が彼によって行われるのを見ることを望んでいたからでした。そこで彼は彼に多くの言葉によってしつこく尋問しました。しかし彼自身は彼に何も答えませんでした。しかし祭司長たちと律法学者たちは(そばに)立ったまま、彼を激しく訴え続けました。そこでヘロデは彼の兵士たちと共に彼を侮辱し、嘲弄して、彼に派手な衣服を着せてピラトに送りました。そしてヘロデとピラトはその日友となりました。なぜなら彼らは互いに敵対し続けていたからでした。

 さてピラトは祭司長たちと指導者たちと民衆を呼び集めて、彼らに向かって言いました。「あなたたちはこの人を民衆を惑わす者としてわたしのもとに連れて来た。しかし、見なさい。わたしはあなたたちの前で取り調べたが、あなたたちが彼に反対して訴えている罪状を何一つこの人に見出せなかった。ヘロデも見出せなかったので、わたしたちのところに送り返してきた。そこで見なさい。死に値することは彼によって為されていなかったのだ。だからわたしは彼を懲らしめて、釈放しよう。」

*17節は新共同訳が原本にした写本には欠落。( )は原文にないが理解のために補った。

 

 主イエスはローマ総督ピラトとヘロデの裁判の席に臨まれました。そこで二人は主イエスに死刑に価する犯罪は何一つ見出せないことを明らかにします。しかし無罪であることが証明されたにもかかわらず、主イエスは有罪判決を受け、その判決に基づいて処刑されることになります。罪のない方が有罪と宣言され、罪の裁きを受けて処刑される、それがこの裁判でした。実はこの裁判はやがてわたしたち一人一人が立つ天の裁判を意味しています。そこでわたしたちは一人の例外もなく有罪であり、その結果は死刑です。けれどもその裁判に主イエスが臨まれてわたしたちの身代わりとして有罪判決を受け、死刑となってくださいました。ですからわたしたちは自分が罪人であり、一人の例外もなく有罪判決を受け、死刑にならなければならないことを自覚しつつ、しかしその最後の審判で顔を上げて臨むことができます。なぜなら主イエスがもうすでにわたしの身代わりとなって有罪判決を受け、死刑をも引き受けてくださったからです。罪あるわたしたちは、この主イエスの贖いのゆえに、天の法廷で無罪を宣告され、晴れて永遠の祝福へと招き入れられることになります。ですからわたしたちにとって、やがて立つべき天の裁判は恐ろしいものではありません。わたしたちの代わりに裁かれた御方が、わたしを、選ばれたすべての者たちと共にその御許へ、すなわち天の喜びと栄光の中へと迎え入れてくださる」からです。