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8月4日(ルカ22章21〜30節)

〔今週の御言葉-私訳と黙想 ルカ22章21~30節  仕える者となられた主〕

 「しかし見なさい。わたしを引き渡す者の手がわたしと共に食卓の上にあります。人の子は定められたことに従って去って行きます。しかしその人を通して(人の子が)引き渡される、その人は災いです。」そこで彼らは、このことをしようとしている者は、彼らのうちで誰なのかを、自分たちの間で〔互いに〕議論し始めました。

 また彼らの間で、彼らの誰がより偉大だと思うかという論争が起こりました。そこで彼(イエス)は彼らに言いました。「異邦人たちの王たちは彼らを支配しています。そして権威を行使する者たちは恵みを施す者と呼ばれています。しかしあなたがたはこのようではいけません。むしろあなたがたの中で最も偉大な者はより若い者のようになりなさい。支配する者は仕える者に(なりなさい)。食卓に横になる人と給仕する人とでは、どちらがより偉大ですか。食卓に横になる人ではありませんか。ところがわたしはあなたがたのただ中で給仕する者のようです。あなたがたはわたしの数々の試練の中で、わたしの側で一貫して踏むとどまってくれた人たちです。わたしの父がわたしに王権を授与したように、わたしもまたあなたがたに(王権を)授与します。わたしの王国の中でわたしの食卓の上で、あなたがたは食べ、また飲み、イスラエルの十二部族を裁く座に着くでしょう。

*( )は原文にないが理解のために補ったもの。〔 〕は別の訳。

 

 主イエスが弟子たちと共にあずかりたいと切望した過越の食事は、弟子たちとの最後の晩餐となりました。しかしそんなことなど知る由もない弟子たちに、その食事の席で「彼らの間で彼らの誰がより偉大だと思うか」という言い争いが生じました。主イエスはそれをご覧になりながら、どれほど心を痛められたことでしょうか。この食事の席で主は弟子たち一人一人の足を洗われます。そのようにまさしく「あなたがたのただ中で給仕する者」となられた主が言われました。「あなたがたの中で最も偉大な者はより若い者のようになりなさい。支配する者は仕える者になりなさい」と。自分の地位や名誉を確保しようとやっきになっている弟子たちを尻目に、主は彼らと対照的にご自分を捨てようとしておられました。「キリストは神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思わず、かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じ者になられました。へりくだって、死に至るまで従順でした。」わたしたちはこの主イエスのへりくだりの姿を見て、どのように思うでしょうか。とことんご自分を捨て、ご自分を無とされた主を前にして、それでもなお自分の地位や名誉に固執するでしょうか。そんなわたしたちのちっぽけな自我が打ち砕かれて、真実にへりくだりの主を心に映し出し、それを体現する者とされていきたいと願います。真実に主のへりくだりに倣う者として成熟させていただきたいものです。