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8月11日(ルカ22章31〜34節)

〔今週の御言葉-私訳と黙想 ルカ22章31~34節  弱い者のための主の祈り〕

 「シモン、シモン、見なさい。サタンがあなたがたを麦のようにふるいわけることを要求しました。しかしわたしは、あなたの信仰がなくならないために祈り願いました。そこであなたは、立ち直ったその時には、あなたの兄弟たちを強めなさい。」しかし彼(ペトロ)は彼(イエス)に言いました。「主よ、わたしはあなたと共にいる用意ができています。牢獄の中に行くことも、死に至ることも。」しかし彼は言いました。「わたしはあなたに言います。ペトロ。今日あなたがわたしを知っていることを三度否定するまでは、鶏が鳴くことはありません。」

*( )は原文にないが理解のために補ったもの。

 

 主イエスは最後の晩餐の席でペトロが三度自分を否定することを予告されます。そしてそれは実現するわけですが、どうして主はそのことをあらかじめ予告されたのでしょうか。それはペトロと他の弟子たちのためでした。三は完全数ですから、主を三度も否定するとは完全に否定し、徹底的に裏切ったことを意味します。ですからそれ以降のペトロはもはや弟子たちからの信頼を完全に失い、自らも絶望の淵に立たされるでしょう。しかしここでそのことを明らかにすることで、主はペトロも他の弟子たちも、この裏切りについての心備えができるようにして、やがて立ち直ることができるようにされたのでした。そして裏切った後もペトロには、同じように裏切ることになる他の弟子たちを励まし、強めるという役割を与えられることで、彼が完全に立ち直ることができるように備えてくださったのでした。しかし彼が信仰を失くすことなく立ち直ることができるのは、ペトロの信仰深さや強さによるのではなく、主が彼のために祈ってくださったことによるものでした。信仰弱く、頼りない者、失敗ばかりの情ない者に対する主の憐れみはどこまでも深いです。これはペトロだけの問題ではありません。わたしたちも今は神の右に座して日毎にわたしたちのために執り成し祈ってくださっている主の祈りによって、わたしたちは支えられています。わたしたちを覆い包むようにして守り支えている主の祈りを覚えていきましょう。