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6月30日(ルカ21章5〜19節)

〔今週の御言葉-私訳と黙想 ルカ21章5~19節 忍耐によって命をかち取る〕

 さて、ある人々が神殿について、高価な石と奉納物で飾られていることについて話している時、彼(イエス)は言いました。「あなたがたが眺めているこれらが、石の上に(別の)石が破壊されないまま(崩されずに)置かれたままでいるということがない日が来るでしょう。」そこで彼らは熱心に尋ねて言いました。「先生、それではこれらのことが起こるのはいつですか。そしてこれらのことが起ころうとしているときのしるしは何ですか。」そこで彼は言いました。「あなたがたは惑わされないように注意しなさい。なぜなら多くの者たちがわたしの名によってやって来るからです。『わたしである』とか『その時は近づいた』と言いながら。彼らの後について行ってはいけません。そして戦争や暴動を聞く時も恐れてはいけません。なぜならこれらのことは最初に必ず起こらなければならないからです。しかしすぐに終わり(が来るの)ではありません。」

 それから彼は彼らに言い続けられました。「民族は民族に、王国は王国に向かって立ち上がるでしょう。地域ごと〔あちらこちら〕に大きな地震や飢饉や疫病があるでしょう。恐ろしいことや天からの大きなしるしがあるでしょう。しかしこれらすべてのことの前に、彼らはあなたがたに向かって彼らの手をかけて迫害するでしょう。彼らはあなたがたを会堂や牢獄に引き渡し、あなたがたはわたしの名のために王たちや総督たちの前に引き出されていくでしょう。あなたがたにとって証しとなるでしょう。

 ですからあなたがたの心の中で、弁明することを前もって準備することがないように心を定めなさい。なぜならわたしはあなたがたに、あなたがたに反対するすべての人々が手向かうことや言い逆らうことができない口と知恵を与えるからです。またあなたがたは親たちや兄弟たちや親戚たちや友人たちによって引き渡されるでしょう。そして彼らはあなたがたの中のある人々を死に至らせるでしょう。そしてあなたがたはわたしの名のために、すべての人々によって憎まれていくでしょう。しかし髪の毛があなたがたの頭から失われることはありません。あなたがたの忍耐によって魂を獲得しなさい。

*( )は原文にないが理解のために補ったもの。〔 〕は別の訳。

 

近年わたしたちは「民族は民族に、王国は王国に向かって立ち上が」り、「戦争や暴動」が頻発しているのを目の当たりにしています、またさらには「大きな地震や飢饉や疫病」によって多くの人々が被害に遭い、犠牲となっていることに心を痛めています。今の時代こそ、主イエスが予告した終わりの時なのかもしれない、そんな思いがわたしたちの心をかすめます。エルサレム神殿はヘロデによって84年にも及ぶ改築によって壮麗な神殿としてシオンの丘の上に屹立していました。しかしその壮麗で豪華な神殿も完成してわずか6年後には破壊され、燃え尽くされてしまうのです。これは確かだ、堅固だから大丈夫だと思って信頼していたものが、あっと言う間に崩れ去り、跡形もなく消え去る、堅固なものなど一つもない不安定な時代に生きています。天皇の代替わりと並行するようにして国中が右傾化し、保守化していることを肌で感じます。信仰の自由が脅かされ、弾圧される時代の到来を予測させ、わたしたちの心は不安に駆られます。しかし主イエスはそのことを予告しつつ、それは証しの機会になると励まし、そこで弁明すべき言葉も与えられると約束されます。「あなたがたに反対するすべての人々が手向かうことや言い逆らうことができない口と知恵を与える」と。だから「髪の毛があなたがたの頭から失われることはありません。あなたがたの忍耐によって魂を獲得しなさい。」この約束に信頼していきましょう。