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1月10日(ルカ9章1~6節)

〔今週の御言葉-私訳と黙想 ルカ9章1~6節 神の国の福音宣教への派遣〕

 さて彼(イエス)は十二人を呼び集めて、彼らにすべての悪霊を支配し、病気をいやす力と権威を授けられました。そして彼らを、神の国を宣べ伝えるために、そして病気をいやすために遣わされました。そして彼は彼らに言いました。「旅行のために何一つ持ち運んではいけません。杖も旅行袋もパンもお金も、下着も二枚目を持ってはいけません。そしてあなたがたがもしある家に入って行ったら、そこに留まり続け、そこから(次の町へ)出て行きなさい。誰であれ、あなたがたを受け入れないなら、その町から出て行くとき、彼らに対する証言として、あなたがたの両足から塵を払い落としなさい。そこで彼らは出て行って、至る所で福音を宣べ伝え続け、いやし続けて、村から村へと巡り歩いていきました。

*( )は原文にないが説明のために付加した部分

 

 主イエスは十二人を呼び集めて、彼らに悪霊を追い出し、病気をいやす力と権威を与えられました。そして神の国が自分たちの所にまで広げられたことを明らかにするために、彼らを遣わされました。その彼らには、旅行に必要最低限のものさえ持つことが許されませんでした。なぜなら神の国の福音を宣べ伝える者たちは、まさにその神の国の中で生きることが求められたからでした。神の国に生きるとは、神の摂理の御手を信頼して、その配慮の守りの中で生きていくことです。生活のことで思い患うことなく、すべてを神の摂理の御手に委ねて、その配慮の中で心安らかに生きていくことです。わたしたちが思い煩いに生きているとするなら、思い煩いがわたしたちの王となって、わたしたちを支配してしまっています。神の国とは神の支配のことで、そこでは神が王です。わたしたちは自分の悩みや心配を心の中心に据えて王とするのではなくて、神をこそ自分の王とするべきです。神を神として見上げていくとき、わたしたちの思い煩いは小さくなります。悩みは取るに足りないものとなります。それが神の国つまり神の支配の中で生きるということです。この神の支配は、わたしたちの内に留まるだけではなくて、わたしたちから隣人へと広げられていきます。そのためにわたしたちは自分の悩みに捕らわれる呪縛から解放されて、神の国の福音を宣べ伝える使者として、今日もそれぞれの場所へと遣わされていくのです。