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11月8日(ルカ8章32~39節)

〔今週の御言葉-私訳と黙想 ルカ8章32~39節 神があなたになさったこと〕

 ところで、そこの山の中で飼われていたたくさんの豚の群れがありました。そこで彼ら(悪霊たち)は彼(イエス)に、彼らがそれら(豚の群れ)の中に入って行くことを許してくれるように懇願しました。そして彼は彼らに許しました。そこで悪霊たちはその男から出て来ると、豚の中に入って行きました。するとその群れはがけから湖の中へとまっさかさまに突進して、溺れ死にました。ところで(豚の群れを)飼っていた人々は起こった出来事を見て、逃げ出しました。そして(起きた出来事を)町や村に伝えました。そこで人々は起こった出来事を見るために出て来て、イエスの所にやって来ました。そして悪霊たちが出て行ったその人が着物を着せられて、正気になって、イエスの足元に座っているのを見て、恐ろしくなりました。(出来事を)目撃した人々は彼らに、悪霊にとりつかれていた人がどのようにして救われたのかを伝えました。そこでゲラサの近隣のすべての群衆は、彼らの所から彼(イエス)が離れ去るようにと懇願しました。なぜなら非常な恐怖に彼らが捕えられたからでした。それで彼(イエス)は舟の中に乗り込んで、帰っていかれました。

 しかし悪霊たちが出て行ったその男は、彼(イエス)と一緒にいることを彼に懇願し続けました。しかし彼はこう言いながら彼を去らせました。「あなたの家に帰りなさい。そして神があなたにしてくださったことをすべて話して聞かせなさい。」そこで彼は出かけて行って、イエスが彼にしてくださったことのすべてを、町全体に宣べ伝えました。

*( )は原文にないが説明のために付加した部分

 

 主イエスはレギオンと称する多くの悪霊に支配された一人の男を救い出すために、ゲラサの地に渡りました。彼にとりついていた悪霊は、豚の群れに入り、がけから次々と湖の中に飛び込み、溺れ死にます。その出来事に恐れをなしたゲラサの人々は、主イエスに去ることを要求し、主イエスは帰って行かれますが、それに際して悪霊を追い出してもらった男は、主イエスと一緒に行動を共にしたいと願い出ます。しかし主イエスは彼が自分の家に帰ること、そして神が彼にしてくださったことのすべてを語り伝えるようにと命じます。そこで彼は、主イエスが彼にしてくださったことのすべてをゲラサ全体に宣べ伝えていくのでした。こうして一人の人を通して異教の地ゲラサでの福音宣教が為されるようになります。このように神はご自身の業を為すのに、たくさんの人々ではなく一人の人を用いられます。神の働きは一人の人の働きから始められていきます。一人の女性によってサマリア伝道が為され、一人の宦官によってエチオピア伝道が為されていったように、神は一人の人を用いて、ご自身の働きを開始されます。そしてその中の一人があなたではないでしょうか。あなたを通して、あなたの家族に、友人に、隣人に、福音が宣べ伝えられていくのです。たいそうなことをするのではありません。神があなたにしてくださったことのすべてを語り伝えるだけです。しかしそのために神はあなたを召しておられるのです。