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原ニカイア信条

(原)ニカイア信条

 

わたしたちは唯一の神、全能の父、見えるものと見えないものすベてのものの造り

主を信じます。

 

そして、唯一の主イエス・キリストを〔信じます〕。(主は)神の子で、父から生

まれた独り子、父の本質から生み出されました。神からの神、光からの光、まことの

神からのまことの神、造られたのではなく生れ、父と同じ本質であって、天と地にあ

すべてのものはこの方によって造られました。この方はわたしたち人間のために、

またわたしたちの救いのために降り、肉を受けて人となり、苦しみを受け、三日目に

よみがえり、天に昇り、生きている者と死んだ者の裁きのために来られます。

 また、聖霊を〔信じます〕。

(御子が)「存在しない時があった」とか、「生まれる前は存在しなかった」とか、

「存在しないものから造られた」とか、神の子は異なる実体や本質から成るとか、神

の子は変化し変異すると言う者たちを、公同の教会は呪詛排斥します。


 

 

【脚注】

赤字は、「ニカイア・コンスタンティノポリス信条」にない部分。特に最後の呪

詛(アナテマ)条項については、下記の翻訳を参考にして訳した。

 


【参照した翻訳】 +は重訳(可能性含む)

*東京基督教研究所、『基本信条』、1946、新教出版社、9~10頁

*日本基督教協議会文書事業部、『信条集』前篇、1982、新教出版社、5頁

*日本基督教会教義研究委員会、『1969年度教義研究委員会 参考資料』、2頁

*渡辺信夫、『古代教会の信仰告白』、2002、新教出版社、122~124頁

*磯部理一郎、『わたくしたちの「信条集」』、1994、ナザレ企画、20~21頁

*森本あんり、『使徒信条-エキュメニカルなシンボルをめぐる神学黙想』、1995、

 新教出版社、132~133頁

*小高毅、『クレド〈わたしは信じます〉』、2010、教友社、59頁

*小高毅編、『原典 古代キリスト教思想史』2ギリシャ教父、教文館、226~227頁

*A.E.マクグラス、『キリスト教神学資料集』上、2007、キリスト新聞社、83頁

+デンツィンガー編、『カトリック教会文書資料集』〈信経および信仰と道徳に関す

 る定義集〉1988、エンデルレ書店、27頁

+N.P,タナー、『教会会議の歴史』、2003、教文館、39頁

+J.L.ゴンザレス、『キリスト教思想史』I、2010、新教出版社、314~315頁

+   同      『キリスト教史』上、2002、新教出版社、180頁

+J.N.D.ケリー、『初期キリスト教教理史』上、2010、一麦出版社、268頁